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障害者の生活における困りごとや支援制度・サポートについて

更新日:2023年03月10日

障害がある方は、一般の方とは異なる悩み事を持つことが多い傾向にあります。一般の方の場合は自分なりの工夫や周囲の人への相談で解決できることも多いのですが、障害を持つ方の困りごとを解決するためには、その方が持つ障害の種類や特徴をしっかりと理解した人や機関に相談する必要があります。また、障害がある方の困りごとと一口に言ってもその種類はさまざまなので、その困りごとを解決するためには自分の障害がなぜその困りごとを起こしているかという関係性についても理解しておくことも重要です。ここでは、障害者の方に多い困りごとや困りごとの種類、困りごとの種類に応じた相談に応じてくれる機関について解説していきます。
 

障害がある方が日常生活でよくある困りごと

 

障害がある方はさまざまな困りごとを抱えている方が多いのですが、その困りごとの中でも比較的多くの障害がある方が抱えている困りごとを以下に紹介していきます。

 

公共交通機関を使用しづらい、外出が不便、困難である

公共交通機関を使用する場合に人混みが多く移動しにくい、事故やトラブルの突発的な情報を得にくい、行き先を探したり切符を購入するのが困難といった困りごとがあります。

このような困りごとは、身体障害者や目や耳に障害を抱える方が感じることが多くなっています。

 

コミュニケーションに不便を感じる

聴覚障害があり会話でコミュニケーションをとることが難しい人、知的障害があるため自分の言いたいことを相手に適切に伝えることができない人、高次脳機能障害のため伝えたい言葉が上手く出てこない人などは、人とコミュニケーションをとることに不便を感じています。

 

障害について周囲の人の理解を得づらい

障害の中でも発達障害や精神障害、内部障害など外見からは分からない障害を持っている人は、一見すると普通の人に見えるため抱えている障害について理解を得ることが難しい傾向にあります。

また、外部から分かる障害を持っている方でも、どのような配慮が必要なのかを理解してもらうために時間を要することもあります。

 

お金に関するトラブルや悩み

知的障害や精神障害を抱える方の中には、お金を計画的に使ったり銀行などの金融機関の手続きを行うことが難しい人もいます。

 

仕事が決まらない、または仕事が長く続かないなどの就労に関する悩み

仕事をしている64歳以下の障害者は、身体障害者が57.1%、知的障害者が48.5%、通院している人を含む精神障害者が29.5%、発達障害者が49.4%、難病患者が53.0%となっています。

またその雇用形態は、身体または精神障害者及び難病患者の4割程度が正規雇用であり、知的障害者は約1割にとどまっています。

このデータから、正社員として仕事に就くことや、周囲の理解を得ながら職場に長期定着することが難しいということが分かります。

 

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悩みや困りごとがあってもどこに相談すればよいか分からない

障害を持つ方が悩みや困りごとを抱えた場合に、身内以外の誰に相談すればいいか分からないため抱えている悩みや困りごとを解決するのが難しいケースも多くあります。

 

障害がある方が賢く上手に生活するためのポイント

障害がある方でも、上手く生活していくためのポイントを知っていれば、悩みや困りごとを最小限に留めて生活していくことが可能になります。

ここでは、障害がある方が賢く上手に生活していくためのポイントについて解説していきます。

 

1.自分の障害や病気についての正しい知識を身に付ける

まずは、自分が持っている障害についての正しい知識を身に付けることが大切です。

自分が持っている障害の特徴をしっかりと知ることで、治療やリハビリテーションが必要かどうか、どのようなシーンで生活が制限されるかといった点について理解することができるようになります。

社会全体で障害や病気への理解を深めることも大切ですが、まずは自分で自分の障害や病気についての正しい知識を身に付けるようにしましょう。

特に中途障害者の方は自分の障害を受け入れるのには時間がかかると思いますが、障害を受け入れることができたら、さらに一歩進んで自分の障害に対する知識を深め、今後の生活をできるだけスムーズに進めることができるポイントとして、どのようなことがあるのかということを考えてみましょう。

 

・自己理解を深めることにより自分の得手・不得手を明確にする

自分の障害や病気に対する知識を増やし障害や病気に対する理解を深めることで、自分一人でできることとできないこと、できないことに直面したときに他の人にしてほしい支援や配慮が分かってきます。

そのため、できることとできないことを明確に把握して、どのような配慮を他の人におねがいしたらその問題をスムーズに解決できるかということを明確にすることができます。

 

2.利用できる支援制度や福祉サービスについての知識を深め活用する

障害や病気を抱える方が悩みや困りごとを抱えているときには、さまざまな機関から支援を受けることができる制度があり、経済的な支援や就労に関する支援、生活に関する支援を受けることができます。

しかし、そのような機関の存在を知らないままでいると悩みや困りごとが出てきたときに利用することができません。

どの機関からどのような支援を受けることができるかということをきちんと理解して、必要な支援を受けられるようにしておきましょう。

支援を受ける際には必要書類の準備が必要になったり、機関の担当者とのコミュニケーションをとらなければならなかったりなどの手間や負担がかかるため、家族やパートナーの助けを借りながら相談を進めても良いでしょう。

 

・金銭トラブルを起こさないためのマイルールを作る

金銭トラブルを起こすことが多い方は、マイルールを設けてお金の使い方に気を付けるようにしましょう。

金銭トラブルには、金銭管理ができない、浪費癖がある、詐欺の被害に遭いやすいといった物があります。

そのため、クレジットカードの限度額を低く設定する、毎月のお小遣いの金額を決めておく、買い物をする店を決めておくなどの工夫をしておく必要があります。

 

3.自分の障害に合った仕事を選ぶ

障害や病気を持っていても、仕事をして収入を得たいという方は多いと思います。

そのような方が仕事を選ぶ際に気を付けるべきポイントには、以下のようなものがあります。

 

・自分の苦手なこと、得意なことに関する自己理解を深める

これは健康な人にも同じことがいえるのですが、仕事の内容は自分が得意な分野のものを選ぶ必要があります。

そのためには自分の得手不得手を分析して、自己理解を深める必要があります。

 

・職場に長期定着できない人は職業訓練を受けることも視野に入れる

自分が得意な分野の仕事に就いても職場に長期定着できない場合には、職業訓練を受けることも考えておく必要があります。

就労移行支援事業などを利用して職業訓練を行うことで、同じ職場で長く働くことができる可能性が高くなります。

また、障害者を多く雇用している企業を選ぶことも視野に入れてみましょう。

そのような企業は障害への理解があり、必要な配慮も受けやすいため長期に渡って働きやすい傾向があるためです。

その際には、障害や病気を持っていることを隠さずに就労する「オープン就職」を選択肢とすることがおすすめです。

障害がある方を支える支援制度やサポート

障害がある方を支える支援やサポートには、以下のようなものがあります。

 

生活支援

・障害者就業・障害者生活支援センター

障害者就業・障害者生活支援センターとは、障害がある方が社会で自立した生活を送るために必要な就業に関するサポートと、生活基盤の整備のためのさまざまな相談に対応してくれる機関です。

この機関は、登録を行うことで無料で利用することができます。

 

・地域活動支援センター

地域活動支援センターとは、国が障害者総合支援法に基づいて行っている地域生活支援事業のひとつに位置付けられている支援機関のことをいいます。

地域活動支援センターは、障害がある方の中で他者とのかかわりを持ちたいと思われている方のための居場所や機会を提供してくれます。

 

・自立生活援助

自立生活援助とは、一人暮らしなど地域で独立した生活をはじめた障害者に対して生活上の困りごとがある場合に相談に応じ、自力で解決できるように援助するサービスのことです。

その内容は家事全般の事だけではなく、体調やお金の管理、近所付き合いなども含まれます。

 

経済支援

・障害年金

障害年金は、病気や怪我などによって生活や仕事が制限されるようになった場合に、現役世代の人であっても受け取ることができる年金のことです。

病気や怪我で初めて医師の診断を受けた際に国民年金に加入していた場合には「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合には「障害厚生年金」を受け取ることができます。

 

・自立支援医療制度

自立支援医療制度は、心身の障害を除去または軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。

 

・生活保護

生活保護制度は、生活に困窮する方に対しその困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を補償するとともに、自立を助長させるための制度です。

 

・特別障害者手当

特別障害者手当とは、精神または身体に重度の障害を有しているため日常生活において常時特別の介護を必要とする特別障害者に対して、重度の障害のため必要となる精神的または物質的な特別の負担軽減の一助とするために支給される手当のことをいいます。

 

・障害者手帳による税金の控除や公共料金の割引

障害者手帳を提示することによって、公共交通機関の運賃や公的または私設機関の利用料金の割引を受けることができるケースがあります。

 

就労などの社会的支援

・ハローワーク

ハローワークでは障害がある方の就職支援も行っているため、障害に関する専門的な知識を持った職員や相談員が配置されています。

そのため障害がある方でもハローワークから仕事に関する情報の提供を受けたり、就職に関する相談に応じてもらったりすることもできます。

 

・就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、通所しながら就職に向けたサポートを受けることができる機関です。

個別に支援計画を立て、それに沿って他の利用者とともに就職に関する知識やスキルを学び、就職の準備を行います。

 

・地域障害者職業センター

地域障害者職業センターとは、障害を持つ人に対して専門的な職業リハビリテーションを提供している施設です。

ハローワークや企業、医療や福祉などと連携して就職を希望する障害者ひとりひとりのニーズに合わせた職業リハビリテーションを提供しています。

 

・障害者の就職や転職に特化したサイトやエージェント

障害者の就職や転職に特化したサイトやエージェントは、就職を希望する障害者と障害者の雇用を希望する企業のマッチングを行ってくれます。

また、サイトやエージェントによっては就職が決定するまでのサポートを行ってくれます。

 

atGPとは

atGPとは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する各種障害者就職および転職支援サービスの総合ブランドです。

20年以上障害者の就職や転職の支援を行ってきた日本の障害者雇用のパイオニアともいえる存在が、このatGPです。

atGP就職や転職に関するサービスは、基本的に無料で受けることができます。

障害や難病を抱える人の将来のビジョンや金銭的な課題も含めて、ひとりひとり異なる不安や悩みに関して専属のエージェントが二人三脚で寄り添い、サポートを行ってくれます。

障害や病気を抱える人が就職や転職をしたいと思った場合には、atGPに相談することを念頭に置いておくことをおすすめします。

まとめ

ここまで、障害や病気の方に多い悩みや困りごと、それらを解決する際に重要なポイント、そして自分で解決できない際に利用できる支援制度や相談に応じてもらえる機関について解説してきました。

悩みや困りごとが出てきた際には、一人で抱え込まずに、障害や病気に対する専門的な知識を持った機関に相談してみてはいかがでしょうか。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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