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HSPの方は正社員に向いてない?HSPの方の雇用形態や働き方について

更新日:2024年06月17日

HSPの方の中には、正社員や会社員として働くことがツライ、HSPは正社員に向いていないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。周囲の環境に敏感で繊細なHSPの方は、職場環境や人間関係で大きなストレスを感じがちです。本記事では、HSPの方が正社員や会社員に向いていないと感じる理由やHSPの方に合っている働き方や仕事について解説します。

HSPとは

「HSP」は、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字を取った略語です。1996年にアメリカの心理療法士で心理学者のエレイン・N・アーロン(Elaine N. Aron)が提唱した人の気質に関する理念です。

 

アーロン氏によると、HSPの方には特徴的な4つの気質「DOES(ダズ)」があるとされています。

・Depth of Processing/深く考えてから行動する

・Overstimulation/刺激に敏感で疲れやすい

・Emotional response and empathy/感情移入しやすい

・Sensitivity to Subtleties/周囲の微細な変化に敏感

 

HSPは病気や障害ではなく気質の特徴のため、治療や矯正の必要はありません。しかし、その気質から、ストレスにより疲れやすかったり、周囲の人たちから共感を得ることが難しかったりと生きづらさを感じることが多くあります。5人に1人はHSPだとされていて、自分では気づいていない人も多くいます。

HSPの方が「正社員・会社員に向いていない」と感じる理由

HSPの方の全てが、正社員や会社員に向いていないわけではありません。しかし、HSPの方は、その特徴から「自分は正社員や会社員に向いていないのでは?」と感じてしまうことが多くあります。

 

職場環境・人間関係に左右されやすい

HSPの方は、感受性が高く繊細なため、職場の環境や職場の人間関係に影響を受けやすく、自分に合っていない場合にはストレスに感じやすい傾向にあります。

 

職場環境では、照明の明るさや電話の音、会社の外から聞こえる騒音、周囲の雑談、他の人のニオイ、食事のニオイなど、他の人はあまり気にならない些細なようなことでも、敏感に反応してして仕事に集中できなかったりストレスを感じます。

また、HSPの方は「機嫌が悪い上司や先輩社員がいると過剰に気を使ってしまう」「聞きたい事があるけど、忙しそうなので聞けない」「他の社員に仕事を頼みたいけど、頼めずに自分でやる」など、周囲に対して必要以上に気を使ってしまうため、職場での人間関係に疲れてしまうことがあります。

 

自分のペースで仕事ができない

前章で紹介したとおり、HSPの方には深く考えてから行動するという特徴があります。そのため、じっくり取り組める仕事は得意です。しかし、効率やスピード感が求められるような仕事では、人よりも時間がかかるため向いていないと思いがちです。さらに、周囲から急かされることでプレッシャーを感じて、大きなストレスとなります。

 

責任やプレッシャーを感じやすい

会社員には、「与えられた仕事を成し遂げる」「与えられた役割を果たす」「仕事の質を高める」という責任があります。責任感が強いHSPの方は、これらの責任に対して大きなプレッシャーを感じてしまいます。

 

仕事に対する責任は正社員でもアルバイトやパート社員でも、フリーランスでも同じですが、正社員の場合には特に責任を大きく感じるケースが多いでしょう。そのため、頑張り過ぎて心身ともに疲れてしまうことがあります。

HSPの方は正社員・会社員に向いていない?

HSPの方は、その特徴のため仕事の内容や職場環境、人間関係によって、働きやすさやパフォーマンスが左右されるため、自分に合った働き方を見つけることが大切です。HSPの方が、正社員や会社員に向いていないわけではありませんが、向いていないと感じた時には、違った働き方も考えてみましょう。

 

それぞれの働き方の特徴について解説しますので、自分に合う働き方を検討してみてください。

 

正社員・会社員

正社員は、雇用期間の定めがなく長期的に働くことが前提です。そのため、正社員は責任のある仕事が任せられる傾向にあり、キャリアを積むことができます。雇用や経済的な面で安定しているので、将来に不安を感じる方は正社員が向いているでしょう。一方で残業や休日出勤、転勤などには基本的に従わなければなりません。

 

契約社員

契約社員と正社員との大きな違いは、雇用期間の有無です。雇用期間は数ヶ月から1年など会社によって条件は異なります。契約によって仕事の内容が決められているので、自分が得意な分野の仕事を選ぶことができます。スキルや経験がある人は、良い待遇で働くことも可能です。

 

派遣社員

派遣社員は、派遣先の企業ではなく派遣会社と雇用契約を結んで働きます。同じ職場で働けるのは3年までと決まっています。仕事の内容は事前に契約で決められているため、自分の希望に合った仕事をすることができます。正社員と比べると、仕事の責任は大きくありません。

 

他にもアルバイトやパート社員、フリーランスなどさまざまな働き方があるので、自分に合った働き方を探してみましょう。働き方について、自分一人で考えても答えが見つからない時には、家族や友人、同僚などに相談すると良いでしょう。身近な人に相談しづらい場合には、転職エージェントなどを利用する方法もあります。

HSPの特性に合った仕事

HSPの方の特性に合った仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

自分のペースでできる仕事

HSPの方は、深く考えてから行動する傾向があるため、スピード感や効率が求められる仕事よりも、自分のペースで進められる仕事が向いています。イラストレーターやデザイナー、ライターなどの仕事は、時間や場所に縛られずに仕事を自分のペースで働くことができます。

 

人との関わりが少ない仕事

周囲の人に対して気を使いすぎたり、反応を気にしすぎて疲れる傾向にあるHSPの方は、在宅勤務やトラックドライバー、倉庫作業など、人との関わりが少ない仕事が向いています。

 

正確さが求められる仕事

細かいところまで気を配ることができ、深く考えてから行動するHSPの方は、検査や検品、分析の仕事やデータ入力、経理、事務などの仕事に向いています。
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HSPの特性とうまく付き合うコツ

HSPは病気や障害ではなく気質の特徴のため、治療や矯正の必要はありません。一方で生まれつきの気質のため、一生付き合っていく必要があります。ここでは、HSPとうまく付き合うコツを紹介します。

 

自分自身の強み・弱みを把握する

どのような環境でストレスを感じやすいのかや苦手な事などを自分で把握して、避けたり軽減できるように対処するなどしましょう。また、自分の強みや弱みを知ることで、自分に合った仕事や職場がみつけやすくなります。

 

苦手なことや苦手な人とは距離を置く

HSPの方は、責任感が強く周囲に気を使いすぎるため、苦手なことでも我慢してしまう傾向にあります。その結果、我慢することが大きなストレスとなって疲れ切ってしまいます。苦手な事や苦手な人との関係は最低限にして距離を置きましょう。疲れた時には1人の時間を作ったり、しっかりと休憩することも必要です。

自分で働き方を見つけるのが不安な方は専門家に相談しよう

これまで読んできて、「自分ひとりでHSPに合った働き方を見つけるのは不安だ」と感じる方もいることでしょう。そんな方は、転職エージェントを利用して、就職や転職に詳しいキャリアプランナーに相談するのも、自分に合った仕事を見つけるポイントです。

 

転職エージェントに相談することで、自分にはどのような働き方が合っているのかを客観的に知ることができます。

まとめ

最後に結論を言うと、HSPの方が正社員や会社員に向いていないわけではありません。しかし、HSPの特徴のために、職場環境や人間関係にストレスを感じている人は少なくありません。

 

人には向き不向きがあるので、向いていない働き方を我慢して疲弊しないようにしましょう。働き方は正社員だけではありません。契約社員や派遣社員、フリーランスなど選択肢を広げて自分に合った働き方を考えてみましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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