ADHDに向いている仕事と探し方!特性を活かした職業と職場選び
更新日:2025年08月04日
ADHDは正式名称で「注意欠陥・多動性障害」といいます。ADHDの方は、注意力が原因で仕事が長続きしない、人間関係が上手くいかない、仕事をするのが辛い、といった悩みを抱えている方が多くいます。この記事ではADHDの方が仕事を上手く行う為の対策方法についてまとめます。
目次
ADHDとは?
ADHDは正式名称を「注意欠陥・多動性障害」と言い、発達障害の一つと考えられています。
ADHDを抱える方は、子どもで20人に一人程度にみられると言われています。
大人になると元々の傾向は変わらないものの、症状の一部(特に「多動性」)が目立たなくなり、診断の枠に入らない状態になる人もいると言われています。
では、ADHDの症状には一体どのようなものがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ADHDの症状と仕事への影響
ADHDの症状は、大きく分けて、
・不注意
・多動性
・衝動性
の3つがあります。
以下で詳しく見ていきましょう。
不注意
集中しづらくミスが出る傾向もあれば、集中し過ぎてしまい休憩を取らずに体力以上に活動してしまうこともあります。
多動性・衝動性
貧乏ゆすり等の無意識な体の動きや、話始めると止まらない等から職場で必要な所作が出来ていないと評価されてしまうこともあります。
発言や行動を思いついたら、周囲の状況を考える前に実行してしまい、周囲に誤解を与えてしまうこともあります。
ADHDの方は性格的に雑でミスが多い、落ち着きが無いと思われがちですが心がけやモチベーションの問題ではなく障害が原因なのです。
ADHDの特性を理解して仕事に活かす
ADHDのある人が自分に合う仕事を見つけるためには、自分の障害の強みと弱みを理解することが必要です。
ADHDの長所(強み)
ADHDの短所(弱み)
これらの得意なこと、苦手なことを踏まえて、できるだけ強みを活かした仕事につくことをおすすめします。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)に向いてる仕事と探し方
ADHD(注意欠陥・多動性障害)に向いてない仕事
ADHDの特性を持つ方は、一般的に集中力の維持やマルチタスクを苦手とし、単調な作業で飽きやすい傾向があります。そのため、以下のような職種は向いていない可能性があります。
単調な繰り返し作業が多い仕事
ライン作業やデータ入力など、刺激が少なく飽きやすい環境では、集中力が途切れミスが増えることがあります。
高い集中力や正確性が求められる仕事
経理、医療事務、看護師、保育士など、わずかなミスも許されない仕事は、大きなプレッシャーとなり、能力を発揮しにくい場合があります。
マルチタスクが頻繁に発生する仕事
人事や一般事務のように、同時に多くの業務をこなす必要がある仕事は、混乱やストレスにつながりやすい傾向があります。
これらの傾向はあくまで一例であり、個々の特性や職場の環境によって適性は異なります。ご自身の特性を理解し、それに合った環境や働き方を選ぶことが大切です。
ADHDのある方の、仕事での特徴や抱えやすい悩み
ADHDのある方の仕事での特徴や抱えやすい悩みには、以下のものがあります。
ADHDのある方は、仕事をする上で今挙げた悩みに対し、「働くためには、弱みへの対処を行うことも必要であること」を認識する必要があります。好きな仕事で業務を行う場合でも注意しておかなければいけません。
では、弱みへの対処をどう行えば良いのでしょうか。そのコツの幾つかをご紹介いたします。
悩み①ケアレスミスが出やすい
ADHDの特徴である不注意が影響してケアレスミスが起こると考えられます。
無理に集中力を高めようとするのではなく、チェックリストを作成しセルフチェックする等の工夫を行いましょう。同僚や上司にダブルチェックをお願いするとなお効果的です。
悩み②複数の仕事を頼まれると抜け漏れが発生する
ADHDの方の中には短期記憶が弱い方がいます。仕事の抜け漏れを起こすのは短期記憶の弱さが影響していると考えられます。
その対応策としては、頭の中だけで処理せずにメモを取ることです。
また、頼まれた仕事について相手と認識の相違が無いかを確認するため、メモを取った内容を声に出して読み上げて確認すると更に対策となります。
(何も説明無しに毎回メモを声に出して読み上げると、誤解を招く恐れがあります。実践する場合には事前に自分の障害の特性について会社や上司に伝えておきましょう。)
悩み③順序立てて仕事を行うことが苦手・時間管理が苦手で、仕事の納期に遅れる
ADHDの方は衝動性が強い反面、先の見通しを立てる力が弱い傾向があります。
順序立てて仕事を行うことが苦手、仕事の納期に遅れるのは、先の見通しを立てる力の弱さが影響していると考えられます。
この部分を対処するには、計画を立てる力を高める必要があります。
1日の仕事の計画をあらかじめ10分単位で作成し、実際にその通りに仕事が進んだか、進んでない場合はどれ位の誤差があったかをチェックします。
これを毎日継続することで作業を行うために必要な見積もりを出す経験値がたまり、納期に間に合う仕事の計画力が高まることでしょう。
また、自分が立てた仕事の計画自体が周囲の期待とずれている可能性もあるため、計画や進捗報告を周囲へ伝え、ズレがないかを確認すると更に対策となります。
悩み④自分に合った仕事や職場環境がわからない
ADHDの方は想像力が弱い場合があります。自分に合った仕事や職場環境が分からないといった悩みを抱えるのは、想像力の弱さが影響していると考えられます。
自分自身を客観視しづらく、自分の強みや弱みが不明確となっているのです。
お勧めは、自己分析等を行うだけではなく、実際に業務を行う等の体験から学びを得ることです。
格闘技の本を読んで頭の中でイメージしたからといって格闘技が上手くなるわけではありませんよね? 本で学んだことを実践して初めて効果が現れます。(前者をインプット、後者をアウトプットといいます。)
それと同じで自己分析を行うことも大切ですが、それだけでは足りません。実際に業務を行うという体験を行うことで効果を発揮する、つまり自分に合った仕事や職場環境がどういったものなのか、だんだん分かってくるのです。
また、体験だけでなく体験後に周囲からのフィードバックを得ると更に対策となります。
悩み⑤思ったことをすぐに口にしてしまい、周囲に誤解を与えてしまう
ADHDの衝動性が原因で思ったことをすぐに口にしてしまうと考えられます。
この場合の対応策としては、思ったことをすぐに口にしてしまうことや他意はないことを周囲にもあらかじめ伝え、不用意な発言があった場合は教えてもらう関係性を事前に作っておく必要があるでしょう。
会社や上司に自分の障害の特性が原因で思ったことをすぐに口にしてしまうということを相談しておきましょう。
ADHDの方が職場を選ぶ時のポイント
ADHDの特性に合った働き方には以下のものがあります。
「自由度の高い」環境を選ぶ
「裁量労働制」や「フレックス制」を取り入れている会社は勤務時間の自由度が高いため、自分の特性や、体調に合わせた働き方をしやすく、ADHDの特性に合っているといえるでしょう。
組織に属さず個人で仕事を請け負う「フリーランス」として働く選択肢もあります。
「フリーランス」として働くのは、仕事の調整や、確定申告などすべて個人でやらなければいけないが、働き方の自由度は最も高いといえます。
なるべく分業ができる環境を選ぶ
ADHDのある方は、自分の苦手な分野を他の人にカバーしてもらい、得意分野に集中できる環境だと働きやすいでしょう。
例えば、「集中力が続かない」特性がある場合、集中力を要する作業は別の人に担当してもらい、自分が得意な作業を代わりに担当する、といったケースです。
自身の特性による得意・不得意に合わせて仕事を分業できるとトラブルが起こる機会を減らすことができます。
障害者雇用を行っている会社や、社内理解・サポート体制が充実している会社を選ぶと、こういった分業がしやすいです。
まとめ
ここまでADHDについて、ADHDの特徴、ADHDの方が仕事や働く上で注意すべき点などをまとめました。
ADHDの方は自身の障害の弱みの部分で仕事での失敗を繰り返し、自己肯定感が低くなっていることがあります。
仕事をするのが怖い、と思うようになる方もいます。
ですが、自分の弱みを理解し対策をすることで、ADHDの方も充分に活躍ができます。
この記事を参考に、仕事をして充実した生活を送ってくださいね。
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